RABI

理学療法士のoutputブログ

介護老人保健施設への就職をお考えの方(老健でのリハビリ職について)

老健 就職

 

 

介護老人保健施設(以下 老健)への就職を悩んでいる方へ。

私自身4つの施設の経験があります。(バイト含む)

のほほん〜バリバリまで、同じ老健でも中身に色々と差がありました。

その体験とデータをもとに、老健で就職するとどうなるかを、今回はテーマにいたします。

簡単に給与面については前回の記事をご覧ください。

 

www.rabichange.com

 

 

老健のリハビリ

老健Aの1日

2012年頃に老健に勤めていた時の話

業務時間は8:30〜17:00

職員はPT3名 OT4名 リハ助手1名(当時)

老健のベッド数は100床 デイは1日30名くらい(うる覚え

 

8:30〜リハビリ科内で朝礼

9:00〜入所リハビリ開始 集団をリハビリの助手の方がしている中、そこから呼び出してリハビリ 1時間ちょいで3人程度

10:30〜通所リハビリ開始 8人ほど集団での体操(平行棒立位体操や座ってする体操)個別のリハビリ2、3人実施

11:45〜片付けと記録

12:00〜休憩

13:00〜調べ物

13:30〜デイの個別リハビリ

14:20〜入所集団リハビリ(10人グループで体操)

15:00〜おやつ食べながら記録

15:30〜入所個別リハビリ

16:30〜記録

17:00終了

 

うる覚えですが、こんな感じだったと思います。

その他の業務としては、

・ケアカンファレンス

・通所ご利用前訪問

・退所前訪問

・集団レクリエーションの実施

・書類は月末に必要なものがいくつかありました。

 

必要業務は

・入所の方のリハビリ

・通所の方のリハビリ

・集団リハビリ(10人前後)

・集団レクリエーション(10人前後)

・自宅訪問

・ポジショニングや食事の評価(STも週1で来ていた。)

・書類作成(老健 通所リハ)

といった内容でした。

残業は書類が重なる時や部署内でのミーティング(月1)ではあるも1時間程度であり、月に5〜6時間程度でした。

老健Bの1日

2015年頃に老健に勤めていた時の話

業務時間は9:00〜18:00

職員はPT4名  ST1名

老健のベッド数は80床 デイは1日40名くらい 訪問もあり

 

9:00〜全体で朝礼

9:15〜通所リハビリ開始 PT2人と介護士さん1〜2人で全員のリハ(40名前後)実施

12:00〜休憩

13:00〜入所リハビリ 10人ほど個別で実施

16:20〜訪問リハビリ出発

16:30〜訪問リハビリ1件

17:40〜帰設 入所評価依頼の実施

18:00〜記録 書類

19:00〜終了

 

19:00終了としていますが、最低19:00くらいでした。途中からPT1人辞めてしまい(まわらないために半日同事業所からPTまたはOTの助っ人あり)デイを一人でしていた時もありました。訪問も曜日によっては多く増減はあり、よく覚えていないリハビリをしていました。

転倒があった時には、評価と対策まで考えたりを、だいたい18時以降にしていました。

その他必要業務は

・ケアカンファレンス

・通所ご利用前訪問

・退所前訪問

・訪問リハビリ契約

・委員会活動

・書類は月末に必要なものがいくつかありました。(担当100名いてました)

 

必要業務は

・入所の方のリハビリ

・通所の方のリハビリ

・自宅訪問

・ポジショニング評価

・書類作成(老健 通所リハ)

・転倒や状態変化時の身体評価

といった内容でした。

残業は毎日あり、書類が重なる時や部署内でのミーティング(月1)法人の会議(月1)その他業務会議(不定期)月に50時間以上はしていました。

 

老健Cの1日

2018年に老健に勤めていた時の話(リハビリ管理職 老健担当)

業務時間は9:00〜18:00

職員はPT6名OT5名ST2名(半分くらい非常勤)

老健のベッド数は160床 デイは1日70名くらい 訪問もあり

 

9:00〜全体で朝礼

9:20〜リハビリ朝礼開始 

9:30〜書類確認 業務内容確認

10:00〜老健リハビリ 5〜6人程

12:00〜配膳・食事介助

12:30〜休憩

13:30〜入所リハビリ 8人ほど個別で実施

15:30〜必要書類作成(リハビリ資料 会議資料など)

17:00〜夕食配膳・食事介助

18:00〜その日のリハビリ業務確認 多部署との連携

19:00〜終了

 

管理業務がメインでありました。訪問も曜日によっては数件いったり、その他には退所前訪問やカンファレンスに出席することがよくありました。

通所と入所担当で分かれていましたが、足りない所に入るような形を私自身は取っていました。

転倒があった時には、評価と対策まで考えたりや、その他事故や他部署との連携のためい意見交換などが多くありました。

その他必要業務は

・ケアカンファレンス

・通所ご利用前訪問

・退所前訪問

・訪問リハビリ契約

・委員会活動

 

必要業務は

・入所の方のリハビリ

・通所の方のリハビリ

・自宅訪問

・ポジショニング評価

・書類作成(老健

・転倒や状態変化時の身体評価

・管理業務(勤務調整や面談)

といった内容でした。

部署内全体が終わった後に確認作業や予定を組むなどありましたので、残業はせざるおえない働き方をしていました。他には部署内でのミーティング(月1)法人の会議(月1)その他業務会議(不定期)月に30時間程度はしていました。

 

老健Dの1日

2018年にバイトで行っていた老健の話

業務時間は9:00〜16:00(時給3000円)

職員はPT4名 リハ助手2名

老健のベッド数は70床 デイは1日25名くらい

 

9:00〜出勤 申し送り 予定確認

9:30〜通所リハビリ開始 7人程 

11:45〜記録

12:00〜休憩

13:00〜記録続き

13:20〜入所リハビリ 6人ほど

15:30〜記録 おやつタイム

16:00〜終了

 

知人がいている所だったのもあり、気軽に実施していました。ただひたすらリハビリをゆっくりとしていました。書類などのその他業務は行なっていませんでした。

 

必要業務は

・入所の方のリハビリ

・通所の方のリハビリ

のみでした。

時々忙しい時には1時間延長していましたが(もちろん時給発生)、リハビリのみを行えていたので、これはこれで楽しかったです。

 

 

老健とは何? 

老健とは介護老人保健施設のことです。

老健のホームページの説明は以下の通りです。

「ろうけん=介護老人保健施設」は、介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指すために、医師による医学的管理の下、看護・介護といったケアはもとより、作業療法士理学療法士等によるリハビリテーション、また、栄養管理・食事・入浴などの日常サービスまで併せて提供する施設です。利用者ひとりひとりの状態や目標に合わせたケアサービスを、医師をはじめとする専門スタッフが行い、夜間でも安心できる体制を整えています。

介護老人保健施設をご利用いただける方は、介護保険法による被保険者で要介護認定を受けた方のうち、病状が安定していて入院治療の必要がない要介護度1~5の方で、リハビリテーションを必要とされる方です。

介護老人保健施設は、常に利用者主体の質の高い介護サービスの提供を心がけ、地域に開かれた施設として、利用者のニーズにきめ細かく応える施設です。介護予防を含めた教育・啓発活動など幅広い活動を通じ、在宅ケア支援の拠点となる事を目指して、ご利用者・ご家族の皆様が、快適に自分らしい日常生活を送れるよう支援をしています。

老健施設とは|公益社団法人 全国老人保健施設協会より引用

 気になったのは作業療法士が先に来るという所でしょうか。通所リハビリにおいても最近では作業療法士に重きを置かれていたり、生活っていうポイントでは作業療法士が重宝されていますね。

将来なくならない仕事ランキングでも作業療法士はありますし、時代は作業療法士ですね。

www.robertwalters.co.jp

老健の種類について

老健のホームページを参考にさせて以下記載させていただいています。

www.roken.or.jp

全国の老健の施設数は4217件(H28.4)

老健の施設基準は5段階となっています。

右の数字は各比率です。(全老健調査 機関誌「老健」2018年8月号 6月15日〜22日調査)

超強化型 11.9%

在宅強化型 6.9%

加算型 31.7%

基本型 42.5%

その他 5.3%

 

算定要件については以下の表をご覧ください。

老健 算定要件

老健施設基準 算定要件

超強化型であれば左下の①〜⑩の合計点を70点以上必要とします。

さらに、充実したリハ(図右下)に書いてあるように週3回のリハビリ(個別)が必要です。(平成30年度の改正から それまでは週2回 内1回は集団でも可だった。)

日本慢性期医療協会の調査では算定しているところが42.9%

算定したいができないところは29.3%です。できない理由として人員不足が85.4%となっています。

日本慢性期医療協会

調査結果結果↓

https://jamcf.jp/enquete/2018/180820.pdf

 

 老健のリハビリ

理学療法士協会の会員分布(2018年3月末)では施設数2492ヶ所に理学療法士は6008名となっています。(病院は6432ヶ所 68104名)

各施設のリハビリスタッフ数については平均7人ほどのようです。↓

・PT・OTに比べSTは少ないですね〜。

老健職員数

出典:日本慢性期医療協会 平成30年度介護⽼⼈保健施設の 運営状況に関するアンケート 集計結果まとめ

 老健にいるセラピストの特徴

ここからは主観になりますので、ご注意ください。

老健には主婦が多い:病院では時間上難しいやブランク後に病院へ復帰する自信がないなどの理由。

・中堅層が多い:病院で管理職となった為に、もう一度現場をしたいとの理由。

・生活のリハに関わりたい:病院のリハビリより在宅のリハビリに興味がある方。

 

という方が多い(あくまでイメージ)です。

 

老健で求められるリハビリ

病院と老健では色々違います。具体的な違いについて見てみましょう。

老健のリハビリ対象者

まず介護保険の施設ですので、対象は高齢者です。

疾患は様々です。整形、中枢、難病、内科疾患、大抵は一人で色々な疾患を持っています。認知症の方も多いです。

病状は落ち着いている方がほとんどで、医療的なリスクは低い方が多いです。

 

しかし、最近では入院日数が短くなっていますので、大腿骨頚部骨折、受傷1ヶ月後や脳梗塞の発症3ヶ月後の方が来たりなど回復期に行くような方は増加傾向にあります。

 

老健のドクター

老健のドクターは私が知っている限り

・元内科医

・元産婦人科

・元小児科医

・元神経内科

(全員60歳以上)

正直言って、明確な指示は得られにくいです。整形関係のことについては全く分かってくれません。

これはある程度覚悟というか、あてにできませんので、勉強の必要があります。

リハビリ内容 

老健のリハビリは病院とさほど変わりはありませんが、時間は20分(病院での1単位)に限られていますので、長い時間のリハに慣れてると少し戸惑います。でもこれは慣れます。

・一人で担当を持つことになるので、PTOT関係は無くなります。手も見ますしADLも見ます。STがいない所も多いので、時にはST的な口腔機能も見ないといけない時もあります。

・在宅に関わる事も多いです。福祉用具や環境設定についても理解しとかないと行けません。家は様々ですので、基本は教科書通りにはいきません。これが難しい所です。

・集団リハビリをやる必要があります。理学療法士は不得手な方も多いと思いますが、やらないといけない所は多いと多います。集団とは何かから勉強は必要です。私はOTさんに教えてもらい、↓を読んで基礎的な考え方から学びました。