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理学療法士のoutputブログ

エビデンスの意味とは?EBM・EBPTって?学び、情報を収集し、活用せよ!!(③活用)

エビデンスを学んで理解し、うまく情報を集め、活用することで、今よりもずっとより良い医療が提供できると私は考えます。EBM・EBPTについて

 3つのセクションで行う第1回目は「学ぶ」2回目は「収集」

 

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 三段跳びの最後ジャンプにあたる

第3回目は「活用」です。

 「エビデンス」をどうやって使うか

あなたはエビデンスを、使ってアプローチしたことありますか?

 

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目次

EBPTの実践手順

前回の予告で説明しましたが、EBPTの実践手順は理学療法士協会に載っている内容に沿って説明していきたいと思います。(少しわかりやすいようにまとめてみるよ)

jspt.japanpt.or.jp

 

 まずエビデンスを使うプロセスとして、5つのステップがあります。

 

1、患者の臨床問題や疑問点の抽出と定式化(PICOの設定)

2、それに答えることのできるエビデンスを検索する

3、エビデンスを吟味する

4、患者に得られたエビデンスを適用する

5、結果を評価する

 

求められる結果が得られるまで1から5を繰り返し行います。

一つ一つ詳しく見てみましょう。

 

1、患者の臨床問題や疑問点の抽出と定式化(PICOの設定)

定式化とはなんでしょうか?

日々、臨床では様々な疑問が浮かぶと思います。「どんな問題点があるだろうか?」「どんな方法を行おうか?」「どれくらいの期間行ったらいいのか?」「どれくらい良くなるだろうか?」様々な疑問が思い浮かぶと思います。

そこから臨床経験に基づいて、「とりあえず」可動域訓練と筋トレから始め、歩く練習をするような事、多くありませんか?

それだけで良くなる(ように見える)事もあるかもしれませんが、自然回復かもしれませんし、それが最善の介入方法だったのかには疑問が残ります。

どうすれば良いのか?

まずは、患者の問題を明確化します。そこから具体的介入方法を選び、効果についてのエビデンスを調べていきます。

それには「PICO」を用いて定式化していきます。

P:Patient(患者)、Participate(参加者)、Probrem(問題)

どんな患者で、どんな問題点があるのかを評価し、考察します。

I:Intervention(介入)

どのような介入が効果があるのか、具体的介入方法になります

C:Comparison(比較対象)

Iに対しての比較するものを当てはめます

O:Outcome(転帰、結果)

求めたい効果の事になります

リハビリにおいては患者は広範で複雑な構造の障害を持つ人を対象としますので、適切な評価を行い、問題を明確化しないといけません。できるだけ調べたい内容をPICOに組み込む必要があります。

 

第1回 「脳卒中右片麻痺者の歩行」 - 公益社団法人 日本理学療法士協会

↑EBPTワークシートの例では

P:発症後2ヶ月経過し歩行に解除が必要である脳卒中片麻痺患者

I:部分免荷トレッドミル歩行練習

E:免荷なしトレッドミル歩行練習

O:バランス能力、歩行速度・距離の向上が図られるか

となります。

2、それに答えることのできるエビデンスを検索する

エビデンスの検索方法については「②収集」に記載していますので↓をご参照ください。

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 診療ガイドラインエビデンスとして使えるかというと、そうではありません。

あくまでガイドラインエビデンスを集約しているものの一つですので、エビデンスを検索する段階で使用するものです。ガイドラインを使う際にも、基本的にはEBPTの手順に沿って行う必要があります。

3、エビデンスを吟味する

患者に適用する前に吟味する必要があります。批判的に。

コクラン共同計画にあるものなど、信頼できる機関による二次情報の場合はこのステップはとばしても良い。

一次情報を利用する場合には吟味する必要があります。

    • 研究デザインのレベルの高さ
    • PEDro scale等の批判的吟味の基準の程度
    • 症例数は十分に多いか
    • 対象者の85%以上が介入効果の判定対象となっているか
    • 脱落者を割り付け時のグループに含めて解析しているか
    • 統計的解析方法は妥当であるか
    • 結果と考察との論理的整合性が認められるか
    • フォローアップは十分に長く行われたか
    • 臨床的アウトカムが評価指標(エンドポイント)とされているか
    • 理学療法の介入によるマイナスの影響についても報告されているか

EBPTの実践手順 - 公益社団法人 日本理学療法士協会 より転載

ここは論文が解決の根拠になるか、重要な点になります

4、患者に得られたエビデンスを適用する

吟味して得られた内容が、目の前の方に当てはまるかを検討し、実際に患者に適用します。

ここで重要な点は以下になります。

  1. 論文の結果だけがよりどころではないこと
  2. 理学療法士の専門的知識・技能・臨床経験
  3. 施設の設備や理学療法機器の状況
  4. 患者の意向や価値観
  5. 上記の2.から3.までと4.とのすり合わせを行うこと
  6. 最終的に、1.から5.を通して、患者の臨床問題や疑問点に最も適した介入方針を選択すること

EBPTの実践手順 - 公益社団法人 日本理学療法士協会 より転載

 

5、結果を評価する

 ここでは患者に適用された介入方法の有効性を評価します。長期的な変化を見据えていくことが重要なポイントとなります。

特に、身体機能における数値的な変化ではなく。そこから退院後の日常生活、QOLなど患者の生活にとってどれだけの効果が与えられたのかを考えることが大切になっていきます。

 

EBMの実践例

EBPTワークシート - 公益社団法人 日本理学療法士協会 には多くの事例が載っています。これらを参考にすると大変わかりやすくなっています。

 

また、実際の報告が明石医療センターに載っていました。

「高齢者の誤嚥性肺炎において絶食管理は予後を悪化させるか」

はかなりわかりやすく実践例を解説してくれています。

是非見てください↓

www.facebook.com

 

最後に

 エビデンスは今後より質の高いものが蓄積されるでしょう。それを基に行うEBM・EBPTは好き嫌いとは関係なく、重要になってくるでしょう。

患者も知識を簡単に得られるようになった現代、根拠のあるか理学療法が当たり前に求められるようになると思います。今でも、「それは何の為にするのですか?」「テレビでこんな方法見たんですけどやってもらえませんか?」など聞かれることもあると思います。そこに対してしっかりと根拠を持って答えられるかどうかは信頼関係にも繋がります。

まずはエビデンスとなる論文を探して読むことから始めてみましょう。日本語論文ではなく英語論文を読む必要が大きくなってきます。英語のほうが情報も最新であり、何より情報量が多いからです。最近はGoogleなどの翻訳精度は高くなっていますので、翻訳したものを読むのである程度意味は理解できると思います。とにかく論文を多く探して、見て、日々の臨床に役立てていければと思いますね。

 

今のところはなかなかこういった方針ではない、勉強できないなどで、勉強できる環境を求めるのであれば、転職をオススメします。 

 

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 知りたくない??↓

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以下参考図書になります。

 
 

 

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