介護予防について食事の面から考える(まずは自分と家族が要介護にならないために)
介護が必要な状態は、
個人の活動性・自由を制限し、
取り巻く家族においても、介護離職による個人のお金や時間さえも奪われる。
またそれは国の財政も圧迫します。
これは超高齢化社会における日本の深刻な問題です。
高齢化といって、まだ若い方々には関係ないと思っている方も多いかもしれませんが、
いつかは皆様も歳をとります。高齢者になります。
病気をするかもしれませんし、要介護状態になるかもしれません。
年齢と共にそれらのリスクは高まります。
そのリスク、今から減らしてみませんか?
健康に一生を暮らすために
今回、日本人の死亡原因第3位であり、
寝たきり(要介護4以上)の大きな原因でもある
脳血管疾患に着目し、食事の面から考えていきたいと思います。
↑が前回の記事になりますので、そちらもご興味のある方読んでいただければと思います。
脳血管疾患にならない為に
脳血管疾患とは
脳血管疾患とは
①脳梗塞
②脳出血
が主な種類となりますが、要は脳の血管の病気です。
脳の血管が異常(詰まる 破れる)を起こし、脳細胞が破壊されますので、
運動麻痺の他にも高次脳機能障害など重篤な後遺症の原因となります。
医療の発達により、命が助かるケースが増えてきましたが、
命が助かっても、
寝たきり(要介護4以上)となる場合も多いです。
脳血管疾患の原因は
①高血圧症
②糖尿病
④心房細動(不整脈)
⑤喫煙
⑥飲酒
と書かれています。
(脳血管疾患と脳卒中はほぼ同じ意味ですが、脳血管疾患とは脳卒中に該当しない脳血管の病気も含まれはします。)
とりあえずはこれらのリスクを排除していくことが大切です。
どうやってリスクは排除するのか?
それは食事です。
病気にならない食事とは
ダイエット本として、『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(デイヴ・アスプリー著 ダイヤモンド社)が日本では数年前にブームとなりました。
その本について、「個人の経験談」つまりは「エビデンスが低い」という記事を目にしました(↓リンク)
残念!話題の「バターコーヒー」は健康に悪い | 健康 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
その方が言うエビデンスレベルの高い健康に良い食事について紹介します。
体に確実に良いと言える(エビデンスがある)食材は今の所5種類です。
以下より『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(津川友介著)から抜粋し、引用しています。
体に良いと言えるのは
①魚
②野菜と果物
③茶色い炭水化物
④オリーブオイル
⑤ナッツ類
の5種類です。一つずつみていきましょう。
①魚
魚を1日あたり85g〜170gを摂取すると、魚をほとんど食べない人と比べて、心筋梗塞による死亡するリスクは36%低下することが明らかとなった。
心筋梗塞の予防はつまり動脈硬化の予防にもなりますので、脳血管障害の予防にも効果的と言えます。
大きさの目安ですが、鮭の切り身で大体一切れ80g、さんま1尾食べると100g程度になります。
②野菜と果物
心筋梗塞や脳卒中などの疾患によって死亡する確率は、野菜や果物の摂取量が1単位(野菜は小皿1杯 果物はバナナなら1/2本 リンゴなら小玉1つ)増えると4%下がり、糖尿病の発症率も果物をほどほどに食べている人の方が低いと報告されている。
その他にも収縮期血圧を下げるなどの報告もありました。
果物の中でも「ブルーベリー」と「ぶどう」が特に糖尿病のリスクを下げることもわかっています。
しかし、フルーツジュースは糖尿病のリスクをあげるので注意。
③茶色い炭水化物
茶色い炭水化物とは玄米や全粒粉、あとはそば粉になります。
逆に白い炭水化物は白米や小麦粉(パン、パスタ、うどんなど)になります。
茶色から精製され白色になるわけですが、その過程で
食物繊維や栄養成分が失われています。
この二つには天と地ほどの差があると言うことです。
茶色い炭水化物の摂取量が多いグループは、摂取量が少ないグループと比べて心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化によって起こる病気になるリスクが21%低かった。
玄米を多く食べる人たち(週に200g以上摂取)は、玄米をほとんど食べない人たち(摂取量が月に100g未満)と比べて糖尿病になるリスクが11%低かった。
この茶色い炭水化物はダイエットにも有効とのことで、摂取量が多い人ほどBMIが小さく、腹囲が細いともありました。
④オリーブオイル⑤ナッツ類
この二つに関しては単独でのエビデンスは見られなかったが、地中海食(オリーブオイル・ナッツ・生の果物・野菜・魚、海産物、豆類、鶏肉を種とした料理)と合わせることでのエビデンスは示されていました。
脳卒中のリスクは地中海食+オリーブオイルのグループで33%、地中海食+ナッツ類のグループで46%も対照群(低脂肪食グループ)よりも低くなることが明らかになった。
体に確実に悪いと言える(エビデンスがある)食材は今の所3種類です。
体に悪いと言えるのは
①赤い肉(牛肉 豚肉) ハム・ソーセージの加工肉
②白い炭水化物
③バターなどの飽和脂肪酸
の3種類です。一つずつみていきましょう。
①赤い肉(牛肉 豚肉) ハム・ソーセージの加工肉
加工肉の摂取量が1日あたり50g増えるごとに脳卒中を起こすリスクが13%増加し、赤い肉の摂取量が1日あたり100〜120g増えるごとに脳卒中のリスクが11%上がることが明らかとなっている。
この他にもガン(特に大腸ガン)のリスクをあげますので、代わりに魚や鶏肉に置き換えた方が良いです。
②白い炭水化物
白米の摂取量が1杯(158g)増えるごとに糖尿病になるリスクが11%増えるとされた。
白い炭水化物は食物繊維の少ない炭水化物であり、極限まで食物繊維を取り除くとそれは糖であると捉えることができ、体の中で糖に分解吸収されるので、白い炭水化物と砂糖は本質的にはほぼ同じとも言えます。
また、なぜ白米が主食なのか?は疑問で、ご飯を絶対食べる必要はないとも思います。
③バターなどの飽和脂肪酸
具体的なものは書いていなかったが、オリーブオイルと違いバターは体に悪い油であるとの報告が数多くあるとのことです。
その他取りすぎていて体に悪いもの
塩
塩分摂取量の世界平均は1日あたり10.1gに対し、日本人の平均は12.4g
塩分摂取量が多いと、高血圧となり脳卒中のリスクが上がります。
乳製品
乳製品(牛乳 低脂肪乳 チーズ)の摂取量が増えるごとに前立腺ガン・卵巣ガンのリスクが増加します。(1日あたり牛乳200gで3% 低脂肪乳200gで6% チーズ50gで9%)
子どもは骨の成長のためにも必要ですが、大人になったからは控えめが良いとのことでした。
エビデンスのない健康情報が主流となるわけ
①テレビや本などが売れるために
テレビや本では「これだけ食べれば健康!」や「これだけは絶対に食べるな!」などのキャッチコピーがあります。その方が見る方は食いつきが良いでしょう。
ただし、その多くはエビデンスは低いもしくはない状態です。
②専門家でも間違っている
残念なことに、医学部では食や栄養について十分な授業はありません。お医者さんならなんでも知っていると言うのがそもそも思い込みでしょう。
しかも、日々新しい研究がなされ、新たな論文が出ています。まだまだ分からないことがあるのが栄養業界であり、常に新しく信頼性の高い情報を取り入れられているかが重要です。
専門家であっても、それが5年前の情報であれば、それはもう間違っている可能性が大いにあると思います。
③国や企業も訳がある
これは結構重要なことだと思うのですが、
企業も売るために必死です。
昨日まで体に良いとされていた食品が、
明日には実はよくなかった、むしろ悪いものだと論文で証明されるなんてことはよくあることです。
だからと言って、すぐに撤廃するなんてことはできません。
何かと理由をつけて、大体は売り続けるものです。
あとは国もです。白い炭水化物は悪いと証明されているものの、それでも米を食べるように勧められているのはなぜでしょうか?
日本の米が売れなくなると、困るからです。
これは日本のことだけでなく、世界に言えることであり、アメリカでの例もありました。
『トロント最高の医師が教える 世界最新の太らないカラダ』(ジェイソン・ファン著)の中の第1章 第1部「ダイエットの黒歴史」で書かれていました。
まとめ
健康になるには食事を改めましょう。
病気のリスクを上げるも下げるも、まずは食習慣になります。あと、高血圧の有無も重要で、気にして測ったほうが良いです。
将来、要介護者にならないためにも、日々の食事には気をつけましょう。
参考図書はこちらです↓
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あとは皆様、自分自身が健康になりましょう!